ヴォイセス・イン・ザ・ミルキーウエイ 第2回

番組名:ヴォイセス・イン・ザ・ミルキーウエイ 第2回
「冬の日本海に向かう-1~アジムス『キャスケイズ』より」
放送日:1983年5月7日
出演者:天ケ瀬幹夫(B80濱永)
スタッフ:スクリプト 出屋敷良秀 / 構成 芦川新 / 技術 三木佐太郎(すべてB80佐伯)

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R.M.U.芦川の制作による穴埋め番組「ヴォイセス~」の第2回。
穴あきの時間に合わせて24:30フォーマットにて制作されている。
ナレーターは前回の吉田卓也に代わり、天ケ瀬幹夫が担当。

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<内容>

T.M.
枠NA
 銀河を旅立つ流れ星は
 地平線の向こうに消えて
 どこまで行くのだろうか。
 遠いハイウエイを走り抜ける
 長距離トラックのヘッドライトは
 遷り行く心の安らぎを写し出して
 時を刻む音だけが、部屋の中に満ちている。

 そんな夜のひと時に耳を傾ける・・・
 ヴォイセス・イン・ザ・ミルキーウエイ

M1 クラブ・モロッコ (アジムス)

NA
 冬の日本海を見たくなって、夜行列車に乗った。
 窓に映る大阪の街の賑わいとは裏腹に、
 北国へ向かう列車の中は、ガランとして寂しい。
 それでも、
 長い春休みを利用しての旅行だろうか。
 私とは反対側の向こうの方の席には、
 6人程の大学生のグループが、
 座席の横にスキーを立てかけて、トランプゲームをしている。
 国鉄の赤字を表しているかのように、
 ただ空気ばかりが目立つ車内で、
 その場所だけが特に明るいように感じられ、
 北大阪のネオンを眺めるよりも、
 ついつい、そちらの方に注目してしまう。

 新大阪を過ぎると検札がある。
 やってきた車掌は、すでに初老に入ったあたりの人で、
 いくぶんくたびれた服が、こんな夜行には良く似合う。
 聞けば北陸の人で、
 昼の特急でやってきて、
 この夜行での仕事が終わると、休みに入るそうだ。
 雪の事を尋ねると、
 今年は少し多めだが、
 列車への影響は、あまり出ていないという。
 良い旅行を!というと、
 隣の車両へと消えて行った。

M2 キャスケイズ・オブ・ザ・セヴン・ウォーター・フォールズ (アジムス)

M3 スルー・ザ・ウィンドウ (アジムス)

NA
 夜の中を走り続ける列車の横に、
 国電が追いついてきた。
 中には、赤い顔をしたサラリーマン風の人が多い。
 一日の疲れをアルコールで飲み込んで、
 やや遅い帰宅だろうか。
 向こうもこちらも、人々は押し黙ったままであるが、
 向こうは、こちらと空気が違って見えるのは、
 乗客のはき出すアルコールの所為かもしれない。

 外を流れる街明かりが、次第にまばらになるあたりで、
 遠くに見えていた山肌は、列車のすぐ左側まで迫ってきた。
 このあたりは、全国で1,2を争う程の綺麗な水がある所。
 ここにウィスキー工場があるのもそのためで、
 聳え立つ山々を背景に並んでいる工場や倉庫の、
 その堂々とした風格は、
 黒いシルエットとなって、列車に覆いかぶさっている。

 その山影が再び遠ざかって行くと、
 列車は、京都府に入る。
 なおさら速度を速めながらなおも走り続けると、
 まもなく、
 昼の疲れを休める電車が並ぶ、
 向日町電車区を通り過ぎる。

M4 ア・ウーマン (アジムス)

T.M.
枠NA
 人気のないアスファルトを照らしている星たちを
 見上げる人もそろそろ途絶え
 夜は深まって行く・・・。
 ヴォイセス・イン・ザ・ミルキーウエイ。
 (スタッフクレジット)

T.M.~F.O.

Concept © 1983.芦川新 All Right Reserved.
Script © 1983. 出屋敷良秀 All Right Reserved.
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※オープニングテーマ曲
  「Lovi’n You (Interlude)」(スパイロ・ジャイラ)
※エンディングテーマ曲
  「ドナ・オリンピア」(アジムス)
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4月 20, 2024

Posted by B80-036