ヴォイセス・イン・ザ・ミルキーウエイ 第1回

番組名:ヴォイセス・イン・ザ・ミルキーウエイ 第1回
「アマゾンを遡る~アル・ディメオラ『Electric Rendezvous』より」
放送日:1983年4月25日
出演者:吉田卓也(B81)
スタッフ:制作 R.M.U / スクリプト 出屋敷良秀(B80佐伯) / 技術 樫原和也(B81)

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R.M.U.芦川新プロデュースによる、インストゥルメンタルアルバム特集音楽番組。
第1回の放送がこの日、83年4月25日。
初回から「穴埋め番組」の扱いで、基本的にレギュラー番組とされる事はなかった。
元々はフリートークの音楽番組で穴埋めをすると、
後から聴いて自己嫌悪に陥る佐伯が、フリートークを回避するために考えだしたもの。
高校生の頃によく聞いていたNHK-FMの「クロスオーバー・イレブン」を下敷きに、
夜に「ながら」で聞き流す事ができる「アルバム特集」を考え出した。
初回のスタッフは「ラスト・パッセンジャー」のスタッフとかぶっているが、コンセプトは明確に違う。
 ・基本はアルバム特集であり、使用楽曲はFOせずに完奏
 ・曲間は広くとって、ゆったりとしたものとする
 ・ながら聴取を基本とし、難しく考えさせるNAは排除。
 ・NAは客観的な内容を扱い、理解は聴取者に委ねる。

83年はSONのみで放送されたが、
85年3月上旬~85年12月末は、そのままの形で、北陸地方の某FM局で同名タイトルでON AIRされ、
同じ本編から前枠と後枠を差し替えたものが「ヴォイセス・イン・ザ・ハーフムーン」として、R.M.U.からSONへ、穴埋め用30分番組として供給された。


<内容>
T.M.
枠NA
 銀河を旅立つ流れ星は
 地平線の向こうに消えて
 どこに行くのだろうか。
 遠いハイウエイを走り抜ける
 長距離トラックのヘッドライトは
 遷り行く心の安らぎを写し出して
 時を刻む音だけが、部屋の中に満ちている。

 そんな夜のひと時に耳を傾ける・・・
 ヴォイセス・イン・ザ・ミルキーウエイ

M1 パッション、グレース、&ファイヤー(アル・ディメオラ)

M2 クルージン’ (アル・ディメオラ)

NA1
 世界第一位の大河、アマゾン。
 その支流は、数えきれない程沢山あり、
 どれもが、深いジャングルに取り囲まれている。
 鬱蒼と生い茂ったジャングルの中を遡って行くと、
 本流から枝分かれした支流は、
 何処に続いているのか、全く見当がつかない。
 ただ一つ確かな事は、
 その源が、南アメリカ大陸の屋根、アンデス山脈にあるという事だけ。
 ジャングルの中に道路を造るという事は、大変手間のかかる事で、
 勢い、アマゾン河そのものが道路の役目を果たしている。

M3 ブラック・キャット・シャッフル (アル・ディメオラ)

M4 Ritmo De La Noche (アル・ディメオラ)

NA
 アマゾン河をずっと遡って行くと
 インカ帝国のふるさと、ペルーに辿り着く。
 アマゾンの河口から約3700Kmの街イキトスまでは、2000トンの船でも航行が可能。
 イキトスからさらに南へ、アマゾンの支流ウカヤリ川をずっと遡って行くと、
 15世紀のインカ帝国の都、クスコがある。
 このクスコは標高3400mの高原にあるため、私達日本人のように高地に慣れないものは、
 少し運動しただけで吐き気がしたり、倒れたりしてしまうが、
 生まれた時からここに住んでいる人々にとっては、
 ここの空気の薄さが当たり前な訳で、
 子供たちがボール遊びをしていたり、
 大人たちが元気に労働をしている。
 
 この高地に、15世紀に栄えたインカ帝国。 
 この帝国には文字がなかったのだが、黄金の美術品が沢山あったらしい。
 この黄金のためにスペイン人に滅ぼされてしまった国。
 もし、この国が現代まで続いていたら、
 おそらく、世界の超大国の仲間入りをしていたのではないだろうか。

M5 Jewel Inside, A Dreaw (アル・ディメオラ)

T.M.
枠NA
 人気のないアスファルトを照らしている星たちを
 見上げる人もそろそろ途絶え
 夜は深まって行く・・・。
 ヴォイセス・イン・ザ・ミルキーウエイ。
 (スタッフクレジット)

T.M.~F.O.

Concept © 1983.芦川新 All Right Reserved.
Script © 1983. 出屋敷良秀 All Right Reserved.


※オープニングテーマ曲
  「Lovi’n You (Interlude)」(スパイロ・ジャイラ)
※エンディングテーマ曲
  「ドナ・オリンピア」(アジムス)


芦川新 2011年05月25日(水)19時57分

第1回のNAの吉田さんが「ヴォイセズ」と発音しているので、初回は「ヴォイセス」なのか「ヴォイセズ」なのか、まだ設定を固定していなかったのかもしれない。

第1回を聴き返してみると、大きな枠としての設定は最終回まで変らなかったようですね。
下敷きに椿姫コンセプトが存在した「ラスト・パッセンジャー」と違って、こちらはプロデューサーオリジナルの番組なので、違ったコンセプトが見えます。

某FM局でのON AIR時には、タイトルそのままにしてしまったので、SONへのサプライは「枠差し替え」が必要になり、枠アナと前テーマと後テーマを別のものとし、タイトルも「ヴォイセス・イン・ザ・ハーフムーン」と苦し紛れのものになってしまった。
番組の時間もSON対応の「29分30秒、R.M.F.」から
「28分40秒、R.M.F.(30’00″保障)」になったと思う。

そういえば、天ケ瀬さんと番組を企画した時に、
「ラスト・パッセンジャー」のコンセプトの流用で、「ナイト・パッセンジャー」という案もあったような気がする。
「椿姫」さんに悪いという理由もあって、お流れにしたように思うけど。


天ケ瀬 2011年05月25日(水)22時44分

そうかあ、オリジナルはSON供給版が先だったのか? このタイトルは小生の案なんだが、てっきり地方局版が最初だと思ってました。地方局版は番組後が時報で、放送終了アナウンスと続きました。


芦川新 2011年06月01日(水)21時05分

天ヶ瀬さんは、85年にこの番組を地方局版で再開されるときに自分が発案したような事をいっておられたかと思います。
ま、私としてはそれはどうでもよいことだったので深く突っ込みはしなかったのですが、この回でおわかりのように、実は私の発案の番組で、音楽もジャズ中心の選曲ではなく当初の予定はフュージョン系インストゥルメンタルでした。
R.M.U.としてSON向けに作るときにタイトルを考えていて、その場にいた天ヶ瀬さんがタイトル案を出されたと記憶しています。
結果「ナイト・パッセンジャー」にはなりませんでしたので、今となってはそれが良かったかもしれませんね。
この番組、私のプロデュース番組として始めたので、当初の制作体制としては天ヶ瀬さんの関与の低い番組でした。
その後、85年版になって毎週連続で作らなければならなかったので、圧倒的にそちらの回数が多いので、結局は天ヶ瀬さんのカラーの強い番組になりました。

11月 16, 2024

Posted by B80-036