MDデッキのプーリーベルト交換

研究所のMDデッキが、MDを読み込んだまま「Disc Error」が表示され、ディスクの排出もできなくなってしまいました。

これは、MDデッキだけでなく、皆さまのご使用のCDデッキやDVDデッキ、Blurayデッキにも共通する症状で、電子的な部分は故障しておらず、ディスクを出し入れする機構、特に内部のモータの回転をディスクローディング機構に伝達するゴム製のベルトが劣化しておこる事がほとんどです。

すでにMDデッキや古いCDドライブなどの7年程度以上経過したものは、メーカーサポートが終了しており、メーカーでは修理対応をしてもらえません。
たった1本のベルトのためにデッキを廃棄してしまうのは実にもったいない話です。
自分の力で比較的簡単に修理できるものですので、修理しましょう。

なお、今回はMDデッキについて掲載しましたが、実はCD-Rデッキのプーリーベルトも劣化していたので、交換しています。
CDデッキやパソコンのCD,DVDドライブなどの交換写真は、ネットに詳細な実例を掲載されている方も多いので、そちらを参照するのもいいでしょう。
MDほど機構が細かくないので、MDよりも多少難易度が低いはずです。

上蓋をあけて後側から見た状態です。
作業にあたってまずは電源ケーブルは抜きます。
くれぐれも感電事故にならないように。
MDデッキのシャシーを開けて内部を開けます。
この写真はすでに内部のMD機構本体を取り外しています。
取り外しにあたって障害となる電源スイッチ部、電源入力基盤、メイン基板を取り外しています。
シャシー取り外しのねじ、基盤のねじなど、それぞれ規格が違いますので、それぞれ区分けして取り外しましょう。スマホなどで取り外し手順を撮影しておくとミスが減ります。

ここがMD機構が取り付けられていた部分のアップです。
向こう側のボディーに空いているスロットがMDのディスクが出し入れされる部分。

これがとり出したMD機構の部分です。
正面側から見ています。
入ったまま取り出せなくなったMDディスクがあるのがわかるでしょうか?
また、機構の上側の手前にモータに直結されているプーリーとローディング側のギアをつなぐ小さなベルトがありますね。
このベルトが劣化して、伸びたり、固化したりしてしなやかさがなくなる事が、CD、DVD、MDなどのドライブの故障の大部分を占めます。
電子的な部分が故障する事はまれです。

<某ネット販売サイトから画像一部借用しました>

これらの「プーリーベルト」と言われるものは、インターネット通販で各種サイズが組み合わさった複数のセットとして販売されています。
価格は500円~1000円程度です。

取り外したベルトと同じサイズのものが入っている事を確認して購入しましょう。

密林や楽天で見つかります。
このようなものが届きます

MD機構の上の蓋を取り外し、ベルトを交換しました。
この時、多少ベルトがねじれたような状態になったりした場合は、何度かプーリーを回転させることで治る場合がほとんどです。
最終的にはねじれがないようにとりつけます。

ついでに、エアダスターで、内部の埃を飛ばして奇麗にします。
レンズなどの上に埃がたまっている場合は、これでほとんど解消できます。

せっかくなのでデッキ内の他の部分の埃も飛ばしておきましょう。
滅多にありませんが、埃の多い場所で使用していた場合は、特に電源部などに埃と湿気がたまると、漏電火災などが起きる可能性もゼロではありません。

(研究所のデッキは室内のみで、生活空間とも隔離されているので、埃はほとんどありませんでしたが、念のためエアダスター実施しています)

交換と清掃が終わると元に戻します。
MD機構部の上蓋を元に戻します。

上蓋にはアース線が取り付けされていたので、忘れずに戻します。これが不完全だと、音声にハムノイズが入る可能性があります。

MD機構部とメイン基板をつないでいたフラットケーブルを基盤のソケットに差し込み接続します。

強引に押し込んで折り曲げたりしないように注意しましょう。

取り外しの障害となっていた電源入力基盤ももとに戻します。

※分解時に電源ケーブルと取り外していると思いますが、こういう部分は電源スイッチがOFFでも、コンセントをつないでいても100Vがかかっていますので、くれぐれも電源ケーブルは最初から最後まで外しておきましょう。

メイン基板のねじも取り外していましたので、この後取り付けています。

完全に組み立てる前に一旦動作を確認します。
無事にディスクが読み込まれます。
(何も入っていないディスクなので「Blank Disc」表示です。

取り出し「Eject」も確認します。

すべてを組み立てて、動作を確認します。

材料費1000円程度(メール便で送料無料)
ドライバ数種などのいくつかの工具。
多少の工夫と手間と時間で、
15年もののMDデッキが復活しました。

MD,研究所

Posted by B80-036